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(1562)永禄五年 笠松、生きる
由貴と向田重六、滝山衆次席の山角左門之助、作蔵、りゅう、それに笠松が、城の一室に集った。
笠松は土と汗で汚れた体を水で流し、こざっぱりとした顔を向けていた。
..そうすると、始めは書置きを残して自殺、と見せかけた殺しということやね。
となれば、犯人は店の中にいる人物やな。
札入れを落したひと。
女将さんと親しく話の出来る男。
じゃあ、笠松はんは、当分ここにいたらよろし。
松山の上州屋には使いを出しておくけんね。
番頭さんは、五人?
身内は?
兄さんが筆頭で弟はんが五番番頭か。
あとその外に、頻繁に女将さんと会ってた人はおりますのんか?
心当りないんか。
ふふ-ん、そうか-。
大体こういう時は一番得する人が下手人や、ってのが定番やけどな。
あ、向田様、その文は何やろか。
なんか知れへんけど、ぎこちない文章やな。
字が上手な割には、書いてある意味がとんちんかんやわ。
これは多分、密書ですな。
へえ、これが。
うむ、原理は簡単じゃて。
草書じゃないのが、曲者じゃな。
あらかじめ桂馬飛びとか、三・四抜き、五とか決めてそこに本意の字を当て、残りは適当な字を埋める、じゃな。
それでも、生半可では読めぬでのう。
作蔵、これをお主の頭に届けて、何所の諜者がよく使うのか調べてくれぬか。
へえ、確かに。
お預り致しやす。
御方様、何か。
いえ、ね。
こちらと真田と。
草同士仲良うできんもんやろか、と。
ふと思うたんどす。
あ、笠松はん。
うちら明日からここいら辺の村々を廻りますよって、一緒に来てんか。
あんたはん、何やら面白そうなお人やしな。
ここいら辺、詳しいんやろ?
そんなら、うちも好都合や。
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えー、この度お引越しすることになりました。
なので、しばらくの間お休みします。
何分、PC設定とかは苦手ですので、いつまでかかるかは皆目わかりません。
何卒よしなに願います。
すえ
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