小潮ノ月

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笠松、生きる

(1562)永禄五年  笠松、生きる
作蔵は、菅谷城本郭に建つ物見櫓の上であちこちを見回している由貴を見つけた。
櫓の梯子を登り、見張台へ辿り着いた所で声を掛けた。

御方様、何観でらべ?

ん、あ、そやね、良い景色と、敵情視察やろかなあ。
作蔵はん、貴方ならこのお城、どないして攻めますんか?
普通は此所からやな、言うところと、此所からは無理やろて、想う所を教えて欲しいんやけど。
夜襲受ける時はどっちからやろか。

向田様がら教えで貰えば、軍師だして、すぐ判るんでねがな。

そうやろな。
そんでも、人の考えて、三人寄れば何とやらで多い方が良い思うわ。
こっち来てぐるーっと周り見てや。
どうや?

普通だら北の方だべな。
西ど東もまんずそったらど悪ぐは無え、南だば絶対って位来ね。
南がらだばすぐ本郭だしで良さそうに見えるたって、崖が急だし川の流れあ早え。
川がら上がってもあそご辺りの土な、泥田みったもんだ。
人も馬も皆、ずぼずぼ潜って抜げ出せなぐなるして。
あそこあ怖っかねして、普段がら近づがね方がいいべな。
夏だばワラワラど蛍飛んで見事だ位だたってさ。
まあ、南がら来るのってば武田くらいだべがな。
我達の組も去年やられでらし。

甲斐の金堀衆やな。
向田様も同じ考えやった。
それじゃあ頼まれてくれまへんか?

へえ、何だべが。

下の南郭からあそこ、都幾川越えてから高くなった小山、黒い森がありますやろ。

うん、うん、判る。
あそごさだば小せ社、あるど。

あそこらへんまで抜穴掘ってほしいんどす。
いざと言う時には殿や皆様の足手纏いにはなりとうおへん。
駄賃はうちが出しますよって。
まずは向田様をお誘いしてな、殿にお願いしてみます。

んだば、その後我方の頭さ当ってみるべ。

それと。
この事、外の誰にも知られんようにしてな。

それだば、んだ。
やるんだば、我達の組だげでやるして。
まんず抜がりだっきゃ無え。
任せでけねが。

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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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