小潮ノ月

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小田原へ

(1558)永禄元年  小田原へ

甲斐国大月から相模国へ入った一行は、荻野に宿を求めた。

三益屋ちゅうとこが良いて聞いたな。
一番大きうて、この町の真ん中辺にあるらしいで。

しっかしまあ、結構賑やかでんな。
北条はん、上手いこと領地営んでますんやなあ。

ここまで来れば、小田原までは後一日や。
道も良いよって、明日は余裕で着くやろな。

三益屋に入り、宿の主に奥の部屋が空いているかを尋ねた。
幸い、空いているという。
用心の為もある。
金は掛るが、大広間に雑魚寝するよりは遙かに具合がよい。

一行が足を洗っている所を見ていた者の中のうちの、男二人がひそひそ囁きあっている。

左与次、あれ見ろあれ。

なんだ、右之。

あそこの女房、かっさらって売りゃあいい金になるってもんだべよ。

右之、そりゃ無理ってもんだべさ、付いてる奴らがやばいずら。

ああ、そりゃ我にも判ってるず。
けどな、身なりからして、見りゃ金だばずっぱど持ってるべえはんで、ちょっくらふん欺かしてやっぺ。
左与次、お前片足、う-んとビッコひけずら。
我も両足傷物で、眼も悪いことにするす。
戦で傷負った事にするべな。
そいで、お前あんまし喋なずら。
我ど話合わせんだど。
お前、ぺっこ抜けだどごあるはんで、気つけろや。
わがったが?

分ったず。
んだ、んだがな。
いひひ。
我、上手ぐやるでよ。

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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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