小潮ノ月

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幸せ芝居

(1559)永禄二年  幸せ芝居

玄助の家の広間では、舞の稽古が続いていた。
師は才太郎と乙芽の夫婦、五年前に京より請われて真田郷に落着いている。
実子はなく、菜、楓、という二人の孤児を育てていた。

華那、菜、楓、高麗が各々菅笠を持って、風流踊りの稽古を続けている。
高麗はまだ足捌きが苦しい。

( はあ~、うちも、姉様みたいに踊りたいやん・・ )

・ 

舞え、舞え、蝸牛 舞わぬものならば
馬の子や牛の子に蹴ゑさせてん 踏み破らせてん
まことに美しく舞うたなら 華の園まで遊ばせてん

・・・

舞の稽古を終えた子らが寺に手習に向ったのを見送った後、乙芽はゆめに向って言った。

どうも、華那様の舞は、まだまだ。

ゆめは軽くうなずいた。

形だけなら、もう何処へ出しても太鼓判どすな。
そやかてまだまだ、固い固い蕾やで。
花が開かんうちは、ようよう人様には観せられしまへん。
こればっかりは、教えようとて無理やしなあ。

まあ、紐落としするまで狐や猿を追回してたんやし。
しょうがおへんやろな。

はは、そやった、そやった。
うん、舞だけやのうて、あの身のこなしはそうそう誰にでもできるっちゅうもんやないでな。

けどなあ、そやけど。
虫も寄らんようでは華夜叉にはなれまへん。
そやかて、悪い虫では華那様が可哀想やし。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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