小潮ノ月

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華の舞

華の舞
天正十年(1582 )  


越後の地にも春が訪れようとしている。

直江兼続に旅の一座が招かれ到着したのは昨日の事。
今日は巳の刻あたりから田楽やら舞やらが披露された。
家臣はもとより与板の周りの村々からも見物人が押寄せたので、さながら戦場のようであったが。

その夜。

屋敷の一室に一座の長が通された。

主の視線の先で向きを変え、裾を捌き膝を折り揃え畏まる。
今様白拍子の舞姿とは打って変わった、浅黄地に立涌四君子の小袖。
柳鼠の地に華霞の打掛けを羽織っている。

兼続が座っている。

その方が華夜叉と申すか。
顔を上げよ。
もっと近くへ参れ。

昼間の、特にお主の舞はなかなかに見事であった。
堪能したぞ。
して、この兼続に用とは何であろうか。

この度はこの華夜叉一座をお呼び頂いて、ほんまに有難うござります。
うちらの拙い芸をそないにお褒め頂きまして誠に有難う存じます。
御用向き言いますのんは、真田のお殿様から預りました書状と御土産の品、御館様にお届けして欲しいんどす。
ついでと言っては心苦しうおますけど、うちらの芸を御館様の前にてもご披露できますようお口添して貰えやしまへんやろか。
重々よろしゅうお頼み申します。

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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